効果は期待できるけど日本では違法?!フルスペクトラムCBDとは?

CBD

アメリカやヨーロッパを中心としたCBD市場の広がりは世界的なトレンドになりつつあります、先日東京で行われた「化粧品展2020」でも多数のCBDブランドやCBD企業が出展し、美容・健康市場におけるCBDの注目の高さが伺えます。CBD製品を探している時に見るフルスペクトラム(Full spectrum)という表示。いったいフルスペクトラムってなに?という疑問のあなたに、今回は「フルスペクトラムCBD(Full spectrum CBD)」についてご紹介いたします!

CBD(カンナビジオール)とは

CBD(カンナビジオール、英:Cannabidiol)とは、植物の大麻で生成されるカンナビノイドと呼ばれる成分の一つです。大麻由来の成分と聞くと「麻薬」を連想されるかもしれませんが、CBDは
「陶酔」や「ハイになる」といった症状を引き起こさない成分です。また、WHO(世界保健機関)でも安全性と一定の効果、効能があることが報告されています。

医療、美容、健康といった幅広い分野での効果が期待されており、アメリカ・ヨーロッパを中心に効果を利用した数多くのCBD製品が販売されています。

アメリカでは大麻由来の成分(CBD)を利用した医薬品として初めて「エピディオレックス(Epidiolex®)」が、国から認可され、難治性のてんかん治療薬として処方されています。

CBDの効果とは

CBDの人への効果や効能、どのように身体に作用するのかについては、世界各国でさまざまな研究や臨床試験が、現在も行われています。

CBDの効果は医療、美容、健康と幅広く、また、植物由来であることから、副作用が少ないことも注目される理由です。

下記はCBDの効果、効能として期待されている一部と関連する疾患になります。

  • 抗不安
    全般性不安障害(GAD)、社会不安障害(SAD)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など
  • 抗菌
  • 抗酸化作用
  • 抗炎症作用
    多発性硬化症、関節リウマチ、大腸炎、肝炎など 
  • 骨組成の促進
  • 発作とけいれん
    ドラべ症候群、レノックスガストー症候群などの難治性てんかん
  • 血糖値の低下
  • 食欲抑制
    肥満など
  • 免疫抑制
    関節リウマチ、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎など
  • 神経保護作用
    アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など
  • がんの成長を阻害する
  • 疼痛緩和
    関節炎、多発性硬化症、片頭痛など
  • 血管弛緩作用
  • 悪心、嘔吐の減少
    がんの化学治療やエイズ治療の副作用の緩和
  • 皮膚病
    乾癬、アトピー性皮膚炎、ニキビなど

これらの効果効能は、抗けいれん(てんかん)のように実際に研究により実証されているものもあります。しかし、その多くが海外の初期段階での研究、使用者や患者が実際の体験談的に報告される事例証拠であり、あくまでもCBDの効果としての可能性を示唆され、期待されているものです。

大麻自体がアメリカや各国も最近になって合法化されたこともあり、研究がまだまだ行われているところです。

フルスペクトラムCBD(Full spectrum CBD)とは?

フルスペクトラムCBD(Full spectrum CBD)とは、植物の大麻から抽出されるCBDを、その抽出度合いで分けた分類の一つです。

具体的には、植物の大麻からフラボノイドやテルペン、エッセンシャルオイル、および他のカンナビノイドなど、植物内のすべての化合物とともに抽出されたCBDです。いわば植物の大麻をそのまま絞った「植物エキス」のようなものです。

フルスペクトラムCBDは植物の大麻に含まれるすべての成分を含有している為、「アントラージュ効果」を得ることができるとされ、CBDの効果を最大限に享受できると言われています。フルスペクトラムCBDの製品にはオイルなどの液体状や粉末状になっているものがあります。

アントラージュ効果

アントラージュ効果とはCBDの単一成分での摂取効果よりも、実際の植物そのものを「植物エキス」として抽出し、CBDや他のカンナビノイドなど大麻草に含まれているすべての成分を一緒に摂取することで、より高い効果を得られるというものです。

これはそれぞれの物質が相互作用することにより相乗効果を生みむことで、高い効果が得られるということで、医療大麻などが植物の大麻のまま使用されている理由とも言えます。

※アントラージュ効果についてはこちらの記事を合わせてお読みください

フルスペクトラムCBDはどのように抽出されるのか?

CBDは植物の大麻から抽出されます。細かく説明すると「大麻」から抽出されたものと、「ヘンプ」から抽出されたCBDがあります。

抽出方法はメタノールやブタンといった溶剤を使用したものや、CBD濃度にこだわらないのであれば、単純に大麻の花穂の部分をグラインドして固めたような物まで様々なものがあります。

最近ではCBDの需要拡大に加えて、高濃度のCBD単一成分を抽出するなどの技術が必要なことから、これらのCBDを抽出する際の多くは、「CO2超臨界抽出」という方法が使用されています。

CO2超臨界抽出方法とは?

簡単に説明することは難しいのですが、このCO2超臨界抽出方法はCO2(二酸化炭素)が液体の状態で入っているチェンバーから始まります。次にCO2が抽出装置と呼ばれるもう一つのチェンバーに移されます。そのチェンバーでは圧力と温度があげられ、CO2は超臨界と呼ばれる状態となり、ガスと液体が同時に含んだ流動状態となります。大麻やヘンプはこの超臨界状態のCO2にさらされ、CO2がCBDなどの成分を大麻やヘンプから溶かしだすようなイメージで溶剤の働きをし、大麻やヘンプからCBDが抽出されます。抽出の際の温度や圧力の調整によって大麻やヘンプから、CBDやTHC、テルペンなどの「どの成分を抽出するか」を変更できる仕組みとなっています。この抽出方法は高価で大型な機械を必要としますが、100%に近い純度の高いCBDを抽出することができます。

フルスペクトラムCBD製品は日本では違法となる可能性

フルスペクトラムCBDですが、ご紹介したように植物の大麻の全草から抽出するため、少ない大いに関わらずTHC(テトラヒドカンナビノール)が含有している可能性があります。THCには精神活性作用があり、日本では大麻取締法、麻薬取締法で規制されており、違法です。

一概には言えませんが、日本の販売業者でも解釈の違いで、THCを含まないブロードスペクトラムをフルスペクトラムCBDと謳っている製品もありますが、本来の意味のフルスペクトラムCBDであれば、THCが含有している又は日本では規制の対象となる部位から抽出したCBDの可能性が非常に高いです。

このため日本でフルスペクトラムCBDの製品を見つけ、購入を検討される場合は、上記の事を販売元に確認し、日本の規制にかからない製品であること、THCが含有されていないことを確実にしなければ、知らず知らずの内に違法行為や違法薬物所持といった事態になりかねないので十分にご注意ください。

※CBDの日本の規制について詳しくはこちらの記事を合わせてお読みください。

まとめ

今回はフルスペクトラムCBDについてご紹介いたしました。フルスペクトラムCBDはアントラージュ効果を得ることができ、本来のCBDの効果は得ることが出来ます。しかし、日本ではTHCの含有の可能性や禁止部位からの抽出など、法律の規制対象となるものなので、間違ってもフルスペクトラムCBDの製品を買わないようにお気を付けください。    

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