大麻に関しての映画や海外ドラマを観る人にはご存知の方もいるかも知れません。大麻を吸って急にお腹が空き、とにかく食べ続ける状態の人。これは一般的にマンチやマンチーと呼ばれています。
今回はそんな「マンチ」になぜなってしまうのかを科学の分野からご紹介したいと思います!
マンチ(Munches)とは
マンチとは英語では「munches」となります。 マンチは大麻を使用した人の中には、空腹でないにも関わらず空腹を感じ、ジャンクフードやスナックを手あたり次第に食べるといった行動をする人がいます。このような状態の人や空腹の状態の事をスラングでマンチ、マンチーズ、マンチーと言います。
言葉の由来は諸説あるようですが、「munch」という英単語(動詞)があり、これの意味は「(時には音をたてて)むしゃむしゃ食べる」となっているので、この単語からイメージすると簡単ではありますね。
大麻が人体に作用する仕組み
大麻や大麻成分であるカンナビノイドの摂取によって人が「ハイ」と言われる状態になったり、医療目的で医療用大麻を使用する時には、どのようにして大麻の成分が人体に作用しているのでしょうか?
簡単に説明すると、身体にどのように作用するのかということについては、風邪を引いたときに使用する「薬」が身体に作用する仕組みをイメージするとわかりやすいです。
具体的には大麻で生成されるCBDやTHCといったカンナビノイドが身体の脳、器官や肌に存在する「受容体」というものに相互作用し、その効果を発現します。
※カンナビノイド(CBD)が身体に作用する仕組みについて詳しくはこちらの記事をどうぞ
どうしてマンチになるのか
マンチになる事の研究は多数行われております。正確に言えば大麻がどのように食欲増進効果をを身体に作用させるのかという事になり、説明は少し科学的な分野に及びます。
世界最高峰の大学であり、アメリアの名門大学群であるアイビー・リーグの一つであるイェール大学の研究では、大麻を使用したときに感じる、「空腹でないときの食欲への渇望」という大麻界では永遠の疑問とされていたものに科学的な答えを出しました。
簡単説明すると、「マンチ」が起こる原因は、大麻の成分(主にTHC)が脳内のニューロンに作用し、本来であれば満腹またはお腹が空いていないという信号を送っている場所が混乱し、空腹という信号を間違えて送り出しているというものです。
そのため、満腹や空腹でないにも関わらず、空腹による食物への渇望を感じ、マンチと呼ばれる状態となります。
この研究に関わった研究者は、この化学的効果を「止まらないといけないところで、ブレーキの代わりにアクセルを踏んで加速するようなものであり、ダンスの優しいタップから急速に早いタップに足を切り替えるようなこと」例えています。
これらは脳の中央の摂食に関するシステムを混乱させ、あなたがちょうど食事を食べ終わったという時でも、突然あなたに空腹を感じさせてしまいます。
カンナビノイドの作用
もう少し詳しく説明をすると、マンチの状態になるには主にカンナビノイドの一つであるTHCが関わっています。
THCと相互に作用するカンナビノイド受容体は、脳内の視床下部にある「POMCニューロン」と呼ばれる脳内の特定のニューロンと強調して働きます。
POMCニューロンは、食欲の刺激を制御し、人が満腹になったときに、脳に摂食を停止するための信号を送信する役割も果たしています。
マンチになる原因は、THCとカンナビノイド受容体の相互作用より、この食欲を制御するPOMCニューロンをより刺激されると、POMCニューロン内の受容体が活性化され、食欲を増す神経伝達物質である「エンドルフィン」が作られます。これにより、本来「満腹なので食べるのを止めて」と送るはずの信号が、全く逆の「空腹です」という信号に「スイッチ」してしまいます。
このようにカンナビノイドが脳に作用しマンチを起こすという事です。
食欲増進作用を利用した大麻医療
マンチと言われるような、食欲増進作用を利用した大麻を使用した医療に、がんの化学治療や抗がん剤による食欲不振や悪心嘔吐などの副作用、エイズ患者の食欲不振と体重減少などに使用されています。
また、食欲不振の症状が出る病気は多岐に渡り、それらは肉体的なものから精神的なものまであります。
食欲不振にも軽度~重度といった段階に分けられており、症状が重度に近づいていくと食欲不振から栄養失調、体力の低下、免疫力の低下と身体機能が低下し様々な病気を併発する原因ともなります。ひどい場合には食事をすることができず、死に至るものまであります。
このように大麻や大麻のカンナビノイドには食欲増進の効果があり、食欲不振、拒食で苦しむ人々の治療にアメリカやそのほかの医療用大麻の合法国で使用されており、多くの人々を救うことも出来るという事です。
まとめ
今回は大麻の吸引時のマンチと言われる状態についてご紹介しました。日本では大麻は栽培、所持などが規制されていますので、このような状態を日本では感じたり、見ることはありませんが、大麻が合法化されている国ではよく聞く話です。また、このマンチと言われるものは言い換えれば食欲増進の効果であり、食欲増進の効果は医療にも応用でき、多くの人の助けにもなっていると言えます。
日本では大麻の栽培や所持など「大麻取締法」により違法です。違法行為は絶対に行わないでください。
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