アメリカで高齢者の大麻使用が増加中?!高齢者が大麻を使用する理由

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アメリカの複数の州では医療用大麻及び嗜好用大麻の合法化が行われており、これらをきっかけとした大麻産業の急速な発展は「グリーンラッシュ」と呼ばれています。グリーンラッシュの真っただ中のアメリカでは大麻の合法化により、合法的に大麻を使用する人は全体的に増加傾向にあると言われています。その中で大麻使用者を年齢別で区分した場合、顕著な増加傾向により取りわけ注目されるのが、実は65歳以上の高齢者層です。今回はアメリカの高齢者の大麻使用について紹介致します!

アメリカでは大麻が合法な州では誰が購入できて、使用できるのか?

アメリカでは大麻に関する法律は、合法化された州の州法により規制されています。州によって違いがありますが、購入についての規制の多くは以下のようなものです。

・20歳以上の成人
・年齢を証明することのできる政府発行のIDを所持していること

中には19歳以上や21歳以上という州もあり、そのほかにほとんどの州では購入及び所持可能な大麻の量にも規制があります。また医療大麻に関しては、嗜好用大麻と規制が違い、使用できる年齢や条件、使用制限などに違いがみられます。

※医療用大麻と嗜好用大麻については下記の記事を合わせてお読みください。

大麻の使用による医療的効果

大麻には鎮痛作用、沈静作用、催眠作用、食欲増進作用、抗癌作用、眼圧の緩和、嘔吐の抑制などの効果があるとされ、アルツハイマー、うつ病、強迫性障害、不眠症、てんかん、気管支喘息、帯状疱疹、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、クローン病、パーキンソン病など、250種類以上もの疾患に効果が期待できることを示唆する論文が発表されています。まだまだ実証段階まで進んでいる研究は少ないものの、大麻に関する数多くの研究が盛んに行われています。

自然界の植物であることから副作用が少なく、化学療法や医薬品による治療を、体力や薬の持つ副作用を理由に選べない患者への代替医療として使用されることも多くあります。海外では医薬品として認証されているものもあり、下記が大麻の成分を利用した医薬品になります。

  • ナビキシモルス(サティベックス)
    てんかん症状への治療効果があり、THCとCBDの両方の成分を含む経口スプレータイプの医薬品。
  • ドロナビノール(マリノール)(THCの異性体)
    がん治療やがん治療薬の副作用に対する、悪心や嘔吐の治療又は予防、およびエイズ患者の食欲増進に使用される薬。
  • ナビロン(セサメット)(合成THC)
    エイズ患者の食欲不振と体重減少に使用される医薬品。
  • エピディオレックス(CBD製剤)
    主に難治性てんかんである、レノックス・ガストー症候群とドラべ症候群の治療を目的とした抗てんかん薬。

高齢者の大麻使用への研究調査

アメリカでは65歳以上の高齢者は、最も急成長している新しい大麻消費者のグループであるとされており、このことは一般的によく知られていることです。

ある調査では大麻を使用していると回答した65歳以上の人々の割合は、2015年の2.4%から2018年には4.2%に増加たと報告されています。

コロラド州で行われた調査

アメリカのコロラド州において、大学や政府の機関と協力して行われた研究では、65歳以上の高齢者を対象としてアンケートによる調査が行われました。

この調査では272人の高齢者が回答し、その中の約45%(65%が女性)が1年間の間に大麻を使用したと報告されています。

多くの高齢者は、大麻をジョイントと呼ばれる巻煙草のようなものを利用し、喫煙という形で消費する方法をとっていましたが、そのほかにも局所に塗るクリームや、グミやチョコレートといったものによっても使用していると報告されています。

半数は医療目的での使用

大麻を1年以内に使用したと回答した高齢者の中の54%は医療目的での利用としています。

医療目的での最も一般的な理由は、関節炎と腰痛などの慢性痛の緩和、そのほかでは不安とうつ病の治療が理由となっています。

QOLという観点、多く人が生活の質が向上していると感じている

大麻を使用している高齢者の多くが、大麻使用が彼らの生活の多くのことに対して、本当に助けになっていると感じているようです。

また彼らの日々の痛みを緩和し、生活機能を向上することは、健康と幸福といったQOLの改善に寄与し、大麻を使用することを選んだ人たちが本当に感謝しているように見えると、参加した研究者は語っています。

QOL(Quality of life 、クオリティ・オブ・ライフ)とは
治療や療養生活を送る患者の肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。いたずらな延命治療、患者への負担・消耗が激しい治療を継続することによって、患者が自らの理想とする生き方、もしくは社会的にみて「人間らしい生活」と考える生活が実現できないという事が提唱され、このQOLにより、患者さんが自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指すという考え方です。

多くの州でも高齢者の大麻使用が増えるとの予測

研究者たちは今後、より多くの州が医療用又は嗜好用大麻の使用を合法化することにより、高齢者の大麻の日常使用に関して、調査の行われたコロラド州のようになる可能性が高い考えています。

以前はタバコのように喫煙と言う形で大麻を使用する人がほとんどでしたが、近年の現在は市場では喫煙だけでなくヴェポライザーによる蒸気吸引、ティンクチャオイルによる舌下摂取、グミやチョコレートのような食用まで、より多くの摂取方法を選択できることも高齢者の大麻使用の増加の一因となっているようです。

まとめ

今回はアメリカの高齢者の大麻使用についてご紹介しました!個人差はあるものの加齢とともに、身体は衰え、関節痛やさまざまな病気、症状に悩まされるようになってくるのも事実です。こういった中で、大麻の医療的効果を考慮すれば大麻が合法なアメリカの州では、医療や嗜好用として大麻を使用している高齢者が増えていることに筆者としては何ら疑問はありません。

筆者自身もまだまだ高齢者と呼ばれるには歳月が必要ではあるが、自身も高齢者となるような時には、大麻も含め多くの選択肢が自身で選べることが非常に良いことではないかと思います。

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